損害防止

当クラブは、安全対策への意識を高め、また損害防止対策を講じることは、クレーム費用の増加を抑制するとともに、そのようなクレーム防止に役立つと考えています。

そこで当クラブは、コンディション・サーベイ、マネージメント・レビュー、根本原因分析(RCA: Root Cause Analysis)、テクニカル・セミナー、そして出版物というツールでは、メンバーをアシストしています。

コンディション・サーベイ

船舶検査プログラムは、特に海上における安全性という観点から、加入船舶の質を分析・維持するためのものです。その検査は、船舶の物理的状態を評価するだけでなく、船舶管理システム、港湾内航行計画などの評価も含みます。外部のサーベイヤーが検査を実施し、検査の内容と質に一貫性を持たせるため、特定の限られたサーベイヤーに検査を依頼しています。

マネージメント・レビュー

加入フリートのリスク特性は、船主またはオペレーターの運航方針に大きく左右されます。例えば、船員配乗や訓練、船舶管理とその予算、指揮命令系統、組織内における技術部門の責任などが、フリートの安全運航に大きく影響する事柄です。

クレームの60%から80%がヒューマン・エラーに起因すると言われています。たしかに、事故の直接的な原因は船員の不注意にありますが、根本的な原因は、不適切な組織内の手続きであることがあります。反対に、良好な指揮命令系統があって、明確な意思伝達や管理が確保されているときは、事故防止に役立ちます。

マネージメント・レビューは、船舶の安全な運航に直接関係する組織内の問題をレビューするものです。

根本原因分析(RCA)

当クラブにおいて、または特定のメンバーにおいて、クレーム発生の傾向がみられるとき、その根本的原因を突き止めるためにRCAを行います。その場合、リスク管理担当者がメンバーや船員配乗会社を訪れ、オペレーション上の欠点を探り、クレーム防止のための措置を講じます。

テクニカル・セミナー

当クラブは、2009年1月からテクニカル・セミナーを実施しています。リスク管理の担当者は、主要な船員配乗国である台湾、インド、フィリピンで定期的にセミナーを開催しています。また中国、インドネシア、北ヨーロッパでもセミナーを開催しています。その中でのテーマは、リスク・アセスメント、コミュニケーション、リーダーシップであり、乗組員の能力を向上させるよう努めています。具体的なトピックとしては、アンカリング、座礁、救命ボートの事故、密閉空間への立ち入り、油水分離器と油記録帳(oil record book)、ECDIS、ブリッジリソースマネージメント(BRM)などです。

出版物

当クラブは、定期的にニューズレターや会報を出版し、安全に関する問題について注意喚起をしています。