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クレーム・ハンドリング
最高のクレーム・ハンドリングは、当クラブに加入することによる利益を最大限に享受するうえで、鍵となる要素です。この点は、メンバーが船主であるか用船者であるか、またP&I保険かFD&D特約かで変わりはありません。当クラブのクレーム・ハンドリングによって案件を効果的に解決でき、そうしてメンバーと当クラブへの経済的影響を最小限に抑えることができます。さらに、当クラブ自身がクレームをハンドルすることによって、個々のメンバーの業務に関する理解が深まるだけでなく、多くのメンバーが直面する問題について広範な知識を得ることもができます。
当クラブのクレーム・チーム
当クラブのクレーム・ハンドラーは、メンバーが所在する地域に応じてチーム編成されています。クレーム・ハンドラーは、個々のメンバーと密接な仕事上の関係を築き、その取引・業務・クレーム傾向などについて深く理解しています。そのため、個々のメンバーのニーズに対して、より適切な対応をとることができます。
クレーム・ハンドリングは開かれた環境の中で行われており、各ハンドラーの知識が共有されています。各クレーム・チームは、専門性に偏りがないように、多様な経験を持つ者が集まっています。様々な地域出身の有資格法律家、海上勤務経験者、さまざまな分野において深いビジネス経験を持つ者などです。
クレーム・チームはロンドンに本拠を置き、世界の各地の拠点に所在する当クラブの人員の協力のもと、あらゆるクレームに対応しています。これによって、全メンバーのクレームを一貫した方法で対応することができます。また相互に理解を深めるため、定期的に大規模事案や全般的に重要な案件を報告・検討し合っています。
管理と責任
クレームは、可能であれば、当クラブのクレーム・ハンドラーだけで解決します。当クラブのクレーム・チームには、非常に多くの有資格法律家に加え、海上勤務経験者もおり、外部の弁護士や専門家に依頼することなしに自分たちでクレームを解決することができます。
もっとも、必要な時には外部の弁護士や専門家を起用しますが、彼らは当クラブの指揮に忠実です。当クラブのクレーム・ハンドラーだけでクレームを処理するというポリシーは、当クラブおよびメンバーの費用負担を最小限にするだけでなく、各ハンドラーが各案件についてきちんと管理していること、そしてメンバーと密接な仕事上の関係を維持することをも意味しています。
FD&Dクレームのハンドリング
FD&Dクレームの専門性から、当クラブは、これらを扱う専門スタッフを用意しています。このスタッフは、P&Iクレームを処理するチームの一員でもありますが、FD&D案件に経験がある有資格弁護士として、FD&Dクレームも取り扱います。FD&Dクレーム・ハンドラーは、クレーム対応の他、メンバーの契約書チェックや法的アドバイスを提供してメンバーをアシストしています。
当クラブの有資格弁護士チームは、メンバーに対し、あらゆるFD&D案件についてアドバイスを提供しています。このサービスの内容は多種多様であり、とりわけ用船契約条項の作成、滞船料条項の解釈、非安全港の分析、船体損傷紛争などを挙げられます。
このチームは、適切な場合であれば常に運賃、用船料や滞船料の回収を図り、また和解で解決できないときには、仲裁や裁判を提起することがあります。FD&D紛争は、世界のあらゆる場所で発生しますが、どこで生じようとも、コレスポンデントや提携する弁護士の国際ネットワークを通じて、直ちに対応することができます。法律家の意見が必要なときは、弁護士・ソリシター・バリスターなどに依頼をすることができ、またその費用も当クラブが注意深く管理しています。もっとも、可能な限りインハウスで処理できるよう努力し、高いサービスの質を保ったうえで、全体的な費用をなるべく低廉におさえるようにしています。さらに、このチームは、メンバーが契約交渉をする際、交渉のどの段階においても、メンバーをアシストすることができます。また、解決の糸口がすぐには見つけられないときでも、回答を導けるようアシストします。紛争について何らかの心配を感じるときは、どうぞFD&Dチームにご相談下さい。
免責金額および填補限度額 (FD&D)
現時点において、当クラブが7,500米ドルまで負担し、それを超える分についてはメンバーが3分の1だけを負担することになっています。ただ実際のところ、多くの紛争は7,500米ドル以下の費用で解決し、追加費用の負担はメンバーに求められていません。また填補限度額は、1件のクレームあたり1,000万米ドルですが、新造船、改造、または売買については200万米ドルです。
利点
当クラブのFD&D特約は、急騰するリーガル・コストについて、わずかな費用でカバーを提供し、また世界中で発生する多種多様な海事紛争について最善のアドバイスを行うものです。この種の紛争は船舶が生み出す利潤やキャッシュフローに直結する事柄ですので、FD&D特約は日々の業務をサポートする重要なものとして、多くのメンバーから好評を得ています。
人身傷害のハンドリング
人身傷害クレームについても、当クラブは、これらを扱う専門スタッフを用意しています。
当クラブの人身傷害クレーム・チームは、すべての人身傷害その他の船員関連クレームを扱っています。人身傷害は、より複雑なP&Iクレームの一部分であることが多いので、人身傷害クレーム・チームは、通常のクレームを処理するチームと緊密に連携しています。
グローバル・コレスポンデント
当クラブの現地コレスポンデントとのグローバル・ネットワークは、最高のクレーム・ハンドリングに欠かせないものであり、特に事故が発生して早い段階で連携をとることが重要です。コレスポンデントは、24時間いつでも、現地の専門的アドバイスを提供することができ、適宜、サーベイヤーや弁護士を選任することができます。メンバーのほか、本船や船員は、あらゆる主要港において当クラブのコレスポンデントと、直接に遣り取りをすることができます。緊急事態では、当クラブのコレスポンデントは、当クラブに事前連絡をすることなく必要な措置を講じることができます。
当クラブのコレスポンデントは、P&I案件の専門家であり、また必要な分野では有資格弁護士のときもあります。彼らはまた、その地域におけるサーベイヤー、専門家、当局とつながりを持っています。コレスポンデントは、船舶がアレストされた場合やそのおそれがある場合に、当クラブが迅速に保証状を発行できるよう重要な役割を担っています。
クレームが提起されている期間、当クラブのコレスポンデントは、現地の情報を提供し、また関係者との連携を取り持ちます。たとえば、当クラブのクレーム・ハンドラーから指示があれば、現地での調査や交渉を行います。
当クラブは、メンバーが常に最善のサービスを受けられるように、コレスポンデントのパフォーマンスを継続的に精査しています。